Far Yeast Brewing|異色のキャリアを持つ山田社長が唱えるクラフトビールの可能性

大学卒業後に大手証券会社へ入社。ベンチャーキャピタル(VC)業務に携わり、サイバーエージェントやオン・ザ・エッヂ(後のライブドア)などのIT企業に勤め、上場準備や経営企画・財務・M&Aなどの業務に従事。2005年、MBA(経営学修士)を取得しにイギリスのケンブリッジ大学へ留学。イギリスの多様なビールを楽しむ文化に魅了され起業を決意。Far Yeast Brewing(株)の前身となる日本クラフトビールを創業。現在、世界20ヵ国に自社ビールを展開している。
Far Yeast Brewing 創業に至る経緯から今後の展望まで取材させていただきました。インタビュアーは、わたくし藤戸淳平が務めさせていただきます!

スタッフ

information

Far Yeast Brewing株式会社


設立
:2011年9月7日
資本金:64,975千円(資本準備金54,975千円)
本社:409-0211 山梨県北都留郡小菅村4341
源流醸造所:同上
代表取締役:山田司朗
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Far Yeast Tokyo Brewery & Grill (醸造所併設のタップルーム)

住所:東京都品川区西五反田1-15-6
TEL:03-6420-3978
営業時間:
<平日>
ランチ11:30~15:00
ディナー17:00~23:00
<土日祝日>
11:30~23:00
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Yakiniku & Craft Beer 田 (焼肉&クラフトビール Den)

住所:静岡県熱海市中央町1-5 水梅ビル1F
TEL:0557-853-245
営業時間:
(月~金)
17:00~23:00(L.O22:00)
(土)
11:29~14:30(L.O14:00)
17:00~23:00(L.O22:00)
(日・祝)
11:29~14:30(L.O14:00)
17:00〜22:00(L.O21:00)
定休日 水曜日
ご予約はこちら

BeerHolic (ビアホリック)

住所:福岡県福岡市中央区荒戸3-1-2
TEL:092-401-1039
営業時間:
(月~金)
15:00~22:00
(土・日・祝)
12:00~22:00

世界20か国に自社ビールを展開するFar Yeast Brewingとは?
淳平
淳平

早速ですが自己紹介からお願いします!

山田さん
山田さん

Far Yeast Brewing株式会社 代表取締役の山田司朗(やまだ しろう)です。

Far Yeast Brewingでは、山梨県に「源流醸造所」を構える前から、ベルギーに委託醸造して販売していた「馨和 KAGUA(カグア)」と源流醸造所で醸造している「Far Yeast(ファーイースト)」「Off Trail (オフトレイル)」を国内含め、世界20か国以上の国と地域に展開しています。

淳平
淳平

Far Yeast Brewingさんは海外のブルワリーとのコラボもされていますね!

山田さん
山田さん

今年はコロナの影響もあり難しいですが、現地インポーターさんとの打ち合わせやカンファレンスのために海外に頻繁に行っており、そのついでに現地のブルワリーも視察していました。

クラフトビールはコミュニティだと思っています。一緒にビールをつくることで技術的な学びも多く、ついでに自社ブランドの認知が広まり、長い目で見てFar Yeast Brewingの総合的なレベルアップに繋がると思います。海外のブルワリーとのコラボは色々なところでシナジーを起こせるイメージですね!

淳平
淳平

日本のクラフトビール市場と海外のクラフトビール市場とで違いはありますか?

山田さん
山田さん

酒税法の違いはもちろんありますが、コミュニティとしての役割は日本も海外も同じだと思います。

今年は国内で積極的にコラボを行っていて、設備や醸造についてなど互いに情報交換をする中で一緒に美味しいビールをつくっていくことができれば国内のクラフトビール市場もまだまだ伸びていくと思います。

消費者はクラフトビールをざっくりとしたカテゴリーで捉える方が多いので、美味しくないビールが多く流通してしまうと逆にクラフトビール市場全体が縮小してしまうので、創り手も提供者も情報開示に積極的な業界ですね!

淳平
淳平

海外のクラフトビール市場にも力を入れている理由はありますか?

山田さん
山田さん

2011年にFar Yeast Brewing(株)の前身、日本クラフトビール(株)創業時、すでに国内に美味しいクラフトビールをつくるブルワリーがあったので、わたし達は先輩ブルワリーさん達が手をつけていない、ハイエンドなレストラン向けのラグジュアリービールからスタートしました。

ハイエンドをコンセプトにクラフトビール事業を進めていく中で、国内のマーケットより、海外のマーケットの方が大きいと感じ、世界各国に輸出するようになりました。

山梨県に自社醸造所をつくった理由
淳平
淳平

2011年に起業され、「海外」が一つのキーワードにある中で、山梨県小菅村に自社醸造所「源流醸造所」を立ち上げた経緯を教えてください。

山田さん
山田さん

Far Yeast Brewingの本社は東京にあるので、本社にアクセスが容易な関東近郊で醸造所をつくれる場所を探していた時、山梨県にある小菅村を知りました。

小菅村は都心まで車で2時間という好立地に加え、ビールづくりに適したヨーロッパに似た気候もあり、醸造所を構えるのに最適な場所でした。

また、Far Yeast は名前に「東京」がつくブランドなので、東京の源流水である小菅村で醸造できるなら、ブランドストーリーとしても面白いなと思いました。

淳平
淳平

山田さんは小菅村に醸造所を立ち上げるにあたり、東京から山梨県に移住されましたが、都心から地方に引っ越して苦労されたことなどありましたか?

山田さん
山田さん

移住するまでは、東京にいないとトレンドをキャッチできない、お客さんとの距離が遠くなる、など自分の中で思い込みがあったのですが、実際移住してみると特に不都合はありませんでした。

自然が豊かなので休日にトレッキングをしたり東京ではなかなか出来ないことが山梨だと出来たりすることも多くあります。

強いていうと冬はかなり冷え込みますね笑

なぜ!?IT起業からクラフトビール製造業への転業秘話
淳平
淳平

Far Yeast Brewing創業前は、サイバーエージェントやオン・ザ・エッヂ(後のライブドア)といったインターネット企業に勤められていた山田さんですが、製造、販売業にあたるクラフトビールで起業しようと思ったきっかけはなんですか?

山田さん
山田さん

確かに業種としては全く異なりますよね。

クラフトビール事業を起業するまでは、上場準備や経営企画・財務・M&Aなどの業務に携わっていました。

きっかけは2005年、MBA(経営学修士)を取得しにヨーロッパにあるケンブリッジ大学へ留学したことです。

ヨーロッパでは当時まだ、「クラフトビール」という言葉は一般的ではなく、「伝統的なビール」として親しまれていました。
留学先では「伝統的なエールビール」をつくるマイクロブルワリーに触れる機会が多くあり、

日本にいた頃は大手ビールメーカーのビールしか知らなかったので、ヨーロッパの多様なビールを楽しむ文化に魅力を感じました。

また、ケンブリッジ大学の卒業生でもあり、インド料理に合うビール「Cobra Beer」を創製したBaron Bilimoria氏のプレゼンテーションを聞いたときに、既にヨーロッパでもハイエンドな料理として受け入れられていた日本食に転用できれば勝算があると考え、日本食と合うビールの研究を始めました。

淳平
淳平

インターネット企業から製造、販売業種に転業して、苦労したことなどありましたか?

山田さん
山田さん

ビールに限らず製造業に共通することですが、在庫の管理が大変です。

つくり過ぎてもロスが出るし、欠品になればお客様に迷惑をかけてしまうので供給量と醸造量のバランスを考えながら在庫を管理しないといけない。

インターネット企業と違い、製造業の難しいところでした。

淳平
淳平

これまで供給量を増やすために醸造設備を増設したり自社ビールの拡販を行う中で、銀行からの借入やエンジェル投資家による出資などで資金調達を実施されているかと思いますが、

2017年に実施された株式投資型クラウドファンディング調達の背景を教えてください。

山田さん
山田さん

資金調達で一番苦労したのは調達手法のバランスです。

借り入ればかりだと利払いや返済で厳しくなる、逆に出資ばかりだと、リターンを求められたり、持ち株比率の問題も出てきます。

何回か購入型クラウドファンディングも試し、Far Yeast Brewingの認知拡大などにも繋がりましたが、プロジェクトに資金を集めるためにはリターンを充実させる必要があります。ビールをリターンにすれば当然原価や配送料がかかり、プラットフォームに支払う手数料も高く、資金を調達するという意味では限界があると感じました。

そこで、2017年にローンチされた株式投資型クラウドファンディング「エメラダ・エクイティ」というサービスで、Far Yeast Brewingが第1号案件になり4,000万円の調達を実施しました。

Far Yeast Brewingの挑戦
淳平
淳平

多額の資金調達も実施され、今後さらに規模を拡大していくフェーズかと思いますが、山田さんはクラフトビール業界の動向をどのように捉えていますか?

山田さん
山田さん

今クラフトビール業界は転換点にあると思います。

今よりもクラフトビールがマイナーだった時代はどこも小さな規模でビールづくりをしていましたが、コミュニティとしては健全で、つくりたいビールをつくれていたし大手メーカーの影響力も届いていなかったので、業界全体が和気藹々とそれぞれの将来を語れていました。

しかし今は産業の側面が大きくなり、自由であるはずのクラフトビールが生産性を追求される時代になってきたと感じています。

業界全体でクラフトの意義を問い、大切にしていきたいですね。

淳平
淳平

今後の展望をお聞かせください!

山田さん
山田さん

現在微生物ビールとして長期的に取り組んでいるOff Trail (オフトレイル)シリーズの開発や、ビールを蒸留してつくったスピリッツに香り付けしたクラフトジンの開発にも力を入れていきたいと思っています。

自社の蒸留設備を導入することも考えていて、今後も色々なことにチャレンジしていきます!